Ⅲ. ユダヤ教におけるクレオパトラ －『タルムード』

以前の投稿で、クレオパトラが『妊婦を解剖した』というおぞましい逸話があると紹介した。

その逸話はユダヤ教の教えの中に登場する。

ユダヤ教といえば旧約聖書。その中核をなすのが，預言者モーセが神から伝えられた言葉を書き記したというモーセ五書。これらの教えとは別に，ユダヤ教にな口伝の教えがある。それがタルムードと言われるものだ。

そのタルムードの中の、ミシュナーという書の中の，トホロートという章の中の、ニッダーという章の中に(長っ)、クレオパトラの記述がある。

Niddah 30b:6

Furthermore, the Rabbis said to Rabbi Yishmael that there is a proof against his opinion from an incident involving Cleopatra, Queen of Alexandria. Since her maidservants were sentenced to death by the government, she took advantage of 

the opportunity and experimented on them in order to examine the amount of time it takes for an embryo to develop. She had her maidservants engage in intercourse and operated on them following their execution in order to determine the stage at which an embryo is fully formed, and found that both in this case, when the embryo is male, and that case, when it is female, the formation is complete on the forty-first day after conception. Rabbi Yishmael said to them in response: I bring you proof from the Torah, and you bring me proof from the fools?  

https://www.sefaria.org/Niddah.30b.6?lang=bi

アレクサンドリアの女王クレオパトラは、胎児の発達にどのくらい時間がかかるか調べるため、死刑囚の奴隷の妊婦に性行為をさせ、死刑執行後に解剖したという。え、なんと恐ろしい…(英語の解釈あってるだろうか？！)

この話はこのタルムードの中でしか出てこないので、史実かどうか検証することは難しい。

これはお気に入りのエジプト風アイシャドウ

しかし、ユダヤ教の中でクレオパトラが、好ましい人物ではないという印象を持って受け止められていたのだろう、と推測はできる(そもそも『アレクサンドリアの女王』としか言及がないので、クレオパトラ七世のことなのかも定かではないが…)。

その根源はなんだろうか？次回はユダヤ世界に多大な影響を与えたと考えられる、『ユダヤ古代誌』におけるクレオパトラについてです。

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